ノルウェイの森

トラン･アン･ユン監督が撮ったら....

こうなるだろうなとは思っていました。

「アイ･カムズ･ウィズ・ザ・レイン」を観た時から....

 

私も原作は当時読み、他の村上作品も読みましたし好きです。

（どっちかと言うと羊男がらみが）

 

この多くの人が読んだ作品を映画化した時には、

多くの賛否両論があるのも覚悟の上でしたでしょう。

「シャイニング」もそうですが、映画化＝原作に忠実に映像化

でもないのでしょうから。

だったら監督がする事って一体？となってしまいます。

 

そういう意味では、この「ノルウェイの森」は監督の作品への

愛だったり尊敬の念が良く表れていて、

この監督の良いところ？である「映像美」が出ていたと思います。

 

監督以上に演じる役者はもっと大変かもしれません。

原作を読んだ方、それぞれ何万通りの登場人物のイメージがあるのですから。

それと比べられたら、役者はたまったもんじゃありません。

 

でも私のイメージとは大体合ってました。

ワタナベは、あれ位カッコ良くないとそうそうナンパ出来ないでしょうし、

あのある意味「冷めた・割り切った」 感じをよく出していたと思います。

 

直子も「儚げ・不安定さ」がよく出てたかな。

緑は、悲しみを背負いつつ、そんなのはおくびにも出さず

ある意味ワタナベを振り回すキャラが良く出てたかも。

 

突撃隊や永沢もピッタリだったと思う。

ハツミさん（何故かこの人だけさん付け）は、原作以上に悲しげだったかも。

 

唯一、納得感が低かったのがレイコさん。（あ、またさん付け）

私のイメージよりもキレイでした。

原作ラストの「シワ」の印象が深いせいか、もう少し年齢を感じさせるキャラだったのですが...

 

展開的に納得行かなかったのがラストシーン。

レイコさんとのラブシーンは唐突過ぎだと思いました。

もう少し自然な成り行きでって印象があったのですが。

 

最後の「今、僕はドコにいるんだろう？」も寸断過ぎる気がしました。

 

まぁ最初に書いた通り、見る人の原作イメージとの比較で

どうしても観てしまう作品なので、賛否はどれも正しくないのでしょう。

原作を読んだ人は、観ても損はないと思います。

逆に原作を読んだ事がない人は、観てもよく判らないし

その後に原作を読みたくなるかもしれません。